歴史古街道団に

ついて



歴史古街道団の想い

 

 「人は昔懐かしいものを見たり感じたりすると、なぜ目を細めて豊かな表情や心持ちになれるのか」――その理由について考えるとき、私たち自身が時の積み重ねの中で培ってきた経験の上に成り立っていることもありますが、実はそれだけでなく、DNAの中にまで記録されている、数えきれないほどの先人たちから受け継いだ、暮らしの知恵、協働し合い、助け合い、共に逞(たくまし)く生き抜いてきたことの記憶があるからなのかもしれません。

――いま現在が決して突然現れたのではなく、はるか遠い時代から積まれてきた様々な人間ドラマや、歴史と文化を土台として、膨大な時間軸の上で関わり合って私たちが存在できていることを、常に認識していきたいと思います。

 

 人の営みがある(あった)ところに必ず存在する「道」――それは、あたかも音楽を記録したレコード盤の溝にも似て、「道」という溝の中に、先人たちのたおやかな暮らしの中の体験や経験、輝く知恵や協働する喜びが刻まれていると考えます。

 ひとたび私たちがその溝=「道」を、針のようにじっくりとたどる時、壮大な過去の記憶が再生され、美しい調べとなって流れ出し、言い知れぬ感動に包まれ、いまを生きていることに自然に感謝するようにもなれる――。 そのことを、これまでたくさん見て感じて知ってきたことが、いまの活動の力になっています。

 

 これからも各地の「古道・古街道や様々な遺跡、暮らしの道の価値、人と地域のつながり」を大切に、先人・先輩たちから現代人へ送られている応援メッセージに静かに耳を傾け、また感謝し、時代の潮流の中で次々に失われてゆくそれら古道や遺跡の「復活と保護・活用」に少しでも貢献していきたいと願っています。

 

■当団はこれまで歴史的な古道、古街道や関連する遺跡・史跡を研究してきた仲間や研究会が声を掛け合って2004年10月に結成された団体です。

その構成員の研究分野は歴史学、歴史地理学、考古学、地方史、世界史、都市設計学、地球科学、建築学、環境学、農学ほか広範囲に及んでおり、様々な分野で現在活躍されている方、また引退された方も多く参加されています。また、親子で、夫婦で、家族や知人を誘い合って、また学生さんも、男女や年齢に関わりなく、また経験・未経験に関わらず、地域史や古街道の探索と探求を日々共に楽しんでいます。

 

 


歴史古街道団  

代表 宮 田 太 郎